Paul Kei Matsuda
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ポール松田

略歴

玉川学園高等部卒業後、渡米。ウィスコンシン大学でコミュニケーション学(ジャーナリズム)専攻、心理学副専攻。大学のライティングセンターなどで第1、第2言語での英語のライティング指導に携わったのをきっかけに、ライティング研究・指導の世界に魅了される。マイアミ大学(オハイオ州立)で英語学修士課程修了。パデュー大学で英語学博士課程修了。哲学博士。専攻はレトリック&コンポジション、応用言語学、英語教育学。

マイアミ大学助教授、ニューハンプシャー大学准教授を経て、現在アリゾナ州立大学准教授。2007年には海外客員研究員として名古屋大学大学院国際開発研究科に所属。 修士博士課程の学生を対象に「第2言語ライティングの理論と研究」、「ライティング理論」、「ライティングの質的研究法」、「ライティング研究・教育の歴史」、「英語教授法」、「ライティングと言語学」などの講座を幅広く担当。

さらにネイティブスピーカー・ノンネイティブスピーカ両方を対象に、アカデミック・ライティング、テクニカル・ライティング、説得文、クリエイティブ・ノンフィクションなど、さまざまなライティングの講座を教えた経験を持つ。

次世代のライティング研究者・指導者の育成に携わりながら、第1言語と第2言語、第2言語と外国語、留学生と移民学生、理論的研究と実証的研究、ネイティブとノンネイティブ、英語とその他の言語などといった既成の枠組みを超越した視点からライティング研究・教授法の歴史、理論、実践における諸問題に迫る。

ライティングプログラムに関する幅広い知識とニューハンプシャー大学でのコンポジションプログラムのディレクターとしての経験を活かし、全米の大学でコンサルタントとしてプログラムの開発と評価、ライティング教師の再教育などにも尽力。そのほか、全米をはじめ、日本やアジア諸国、南米などの大学や学会でライティングに関する講演やワークショップなどを行う。

1998年に Tony Silva と共に第2言語ライティングシンポジウム (Symposium on Second Language Writing) を発足、主催。その他にも全米大学コンポジション&コミュニケーション学会 (Conference on College Composition and Communication)、全米応用言語学学会 (American Association for Applied Linguistics)、全米英語教育学会 (Teachers of English to Speakers of Other Languages/TESOL)、全米英語教育学会 (National Council of Teachers of English)、などを中心に第2言語ライティング研究・教育の普及・発展のため幅広く活動。

主な編著書に Second Language Writing in the Composition ClassroomSecond Language Writing ResearchLandmark Essays on ESL WritingOn Second Language Writing、などがあるほか、数々の学術誌の特別号を編集。そのほか、ライティング、談話分析、語用論、言語とアイデンティティー、言語とテクノロジー、英語教育史などに関する論文多数。(詳しくは英文履歴・業績書参照)

アリゾナ州立大学
Arizona State University

ASUアメリカ西南部、アリゾナ州フェニックス都市圏に位置する創立1885年の総合研究大学。 テンピ市 (Tempe) のメインキャンパスをはじめ、4つのキャンパスからなり、学生総数は6万人を超え、留学生の総数は3千人近く、全米4番目の規模を誇る。州立大学としては全米最大。フェニックスは全米6番目の大都市圏。

英語学科にはレトリック・コンポジション&言語学の博士課程があるほか、英語教育学(TESOL)の修士課程もある。ライティング教育の理論と実践、ライティングプログラムの開発・運営・評価、レトリックの理論と歴史、第2言語や外国語としての英語教育、応用言語学、一般言語学など、幅広い分野の知識を組み合わせた総合的な英語教育・ライティングの研究が可能。

また、教育学部による初等・中等・高等英語教育やバイリンガル教育、リテラシーなどの講座も豊富で、日本の英語や日本での英語教育についても盛んに研究されている。

新しいアメリカの大学のモデルをめざすアリゾナ州立大学は、学際的研究や企業などとの連携によるイノベーションにも積極的で、IT 関係者の間では Google の新しい本部の所在地としても知られている。

Phoenix

「太陽の谷」の愛称で親しまれるフェニックス周辺は巨大なサボテンで有名なソノラ砂漠の中にありながら、街には水や緑も豊富で、ショッピングなども便利。気候は一年を通して温暖で過ごしやすく、6月から8月ごろは気温が高いが、湿度が低いので不快感が少ない。冬は北に2時間ほど車を走らせると、スキーも楽しめる。

アリゾナ州の空の玄関であるフェニックス・スカイハーバー国際空港 (PHX) は大学から15分ほど西に位置し、全米の各都市への直通便も多数運行している。また、ほかの大都市に比べて物価や税率が低く、公園やスポーツ施設、美術館、コンサート会場などのアメニティーも充実している。アリゾナ北部にあるグランドキャニオン国立公園をはじめ、観光名所も数多くある。

第2言語ライティング・シンポジウム
Symposium on Second Language Writing

Symposium Logo

グローバリゼーションにより書き言葉によるコミュニケーションがより重要になってきた近年、第2言語ライティングは応用言語学、レトリック&コンポジション、教育学、コミュニケーション学など、様々な分野な分野の専門家の協力により学際的分野として急速に発展してきた。その分野の更なる発展を促進するために1998年に発足されたのが第2言語ライティング・シンポジウム

第2言語ライティングは従来アメリカの大学における英語のライティング教育を中心に発達してきた。ところが1980年代にはいると、英語の国際化によって1980年ごろから世界中でライティングが注目を集めはじめ、さらに1980年代後半からは英語以外の外国語(日本語、フランス語、ドイツ語、中国語など)教育ににおけるライティングの位置づけも見直されるように。

このシンポジウムは発足以来アメリカ、インディアナ州にあるパデュー大学にて隔年で開催されてきたが、アジアや環太平洋諸国でのライティング研究、教育を推進するため2007年9月には日本の名古屋学院大学で開催されることになった。

Updated on December 22, 2007